【新唐人2017年3月30日】
中国の政府系メディアが、2012年に遼寧省遼陽県で発生した台風災害で4人が死亡、3人が行方不明であると報じました。一方、現地の政府は死者は出ていないと発表しています。政府系メディアが政府に不都合な事実を暴いたのはなぜなのか、関心が集まっています。
2012年8月、遼寧省遼陽県で台風災害が発生しました。中央人民放送は28日、5年前のこの災害で少なくとも4人が死亡、3人が行方不明となったと報じ、政府が洪水警報を発令しなかったため逃げ遅れたと語る犠牲者遺族の話も報じました。
遼陽市と遼陽県は当時、死者と行方不明者はなしと発表。政府の防災対策が万全だったため「奇跡を起こした」と述べていました。しかし奇跡など起こっていなかったことが発覚すると、現地政府の役人も2012年当時、少なくとも6人が行方不明となっているのを知っていたと認めました。
それだけではなく、この災害で近隣の遼寧省岫岩県(りょうねいしょうしゅうがんけん)でも少なくとも38人が死亡していたにも拘らず犠牲者は8人のみと発表していました。現地の役人が数万元を遺族に渡して告訴しないよう口封じをし、犠牲者の遺体を山へと運び、ガソリンをまいて火をつけて始末し、火葬場にも記録が残らないようにしていたと報じられています。
時事評論家 唐靖遠氏:「中国では災害による死傷者の発生について現地の行政の責任を追及されることはありません。なのになぜ役人らは事実を隠蔽したのでしょうか。それは事実を公表すると、役人の汚職や手抜き工事、警報を発していなかったなどの防災、救済の不手際や違法性も表沙汰になってしまうからです。」
こうした虚偽の報告は遼寧省だけでなく中国各地で行われています。鉱山爆発事故や食品薬品事故、交通事故から各種の疫病発生に至るまで、虚偽の被害者数が報告されています。ここ1年だけでも河北省邢台水害、湖南省漣源鉱山事故、山西省と陜西省の鉱山事故、鳥インフルエンザ流行など、多くの問題について虚偽の報告が行われました。
ネット誌「大参考」元編集長 李洪寛氏:「共産党はすでに完璧な情報統制を確立しています。事件が発生した後、政府が了承した情報だけが流されます。情報が本当かどうか調べようなどという気を起こせば、ブタ箱行きです。国民は捏造や隠蔽を行った政府の責任を追及することができないため、やりたい放題なのです。」
事件や事故の虚偽報告が当たり前の中、中央政府のメディアが遼寧省の虚偽報告を暴露したことに、関心が集まっています。
ネット誌「大参考」元編集長 李洪寛氏:「別に情報公開化に努めたわけではなく、中央が遼寧省の幹部らを粛正しようとしていると見られます。」
時事評論家 唐靖遠氏:「昨今、遼寧省で選挙を巡る不正事件が発覚しました。これに続いて政治問題を報じたのは、政治的な意味合いが込められている可能性があります。中央は元遼寧省省長の陳政高を粛正しようとしていると見られており、中央人民放送は特別の許可を得て今回の報道を行った可能性があります。ほかにも虚偽報告問題はたくさんありますが、北京市の大雨による災害は今でもタブーとなっています。」
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2017/03/29/a1317935.html(中国語)
(翻訳/白白 ナレーター/淳萌 映像編集/李)